米司法省 マイクロソフトを提訴

閲覧ソフト、抱き合わせ販売要求

反トラスト法違反

【ニューヨーク20日=市村友一】米司法省は二十日、ソフトウエア最大手のマイクロソフトが、自社のインターネット閲覧ソフトを普及させるため、パソコン用基本ソフト(OS)市場での独占的地位を悪用しているとして、反トラスト法(独占禁止法)違反でワシントン連邦地裁に訴えた。同社の販売手法をめぐっては業界内などから厳しい批判や不満が出ていた。マイクロソフトは真っ向から反論しているが、裁判の行方次第では業界の勢力地図も左右しそうだ。

マイクロソフト「OSの延長上」

 司法省によると、マイクロソフトは同社のOS「ウィンドウズ」を製品に組み込んで出荷しようとするパソコンメーカーに対し、自社の閲覧ソフト「エクスプローラ」も同時に標準搭載することを要求、「抱き合わせ販売」をしているとされる。

 ジャネット・リノ司法長官は「ウィンドウズの独占的な地位を不法に利用して、消費者の選択を奪うものだ」と指摘し、一九九五年に同社の事業拡大について両者の間で成立した和解(同意審決)を無視していると主張した。

 同省は訴えの中で、抱き合わせ販売の中止とともに、マイクロソフトが「エクスプローラ」のアイコン(絵記号)を消去するための簡単な方法を明示することや、裁判所が反トラスト法と認定した後も不法行為を続けた場合は一日百万ドル(約一億二千万円)の罰金を科すことなどを求めている。

 これに対し、マイクロソフトは「同意審決は当社がOSに新しい機能を統合させていくことを想定しており、法律には違反していない」と反論している。ビル・ゲイツ会長も声明の中で「もし、インターネット関連ソフトによってウィンドウズの機能が高まらなければ、迷惑を被るのは消費者だ」と述べ、閲覧ソフトがOSの機能の延長線上にあることを主張した。

 閲覧ソフトは、インターネットの利用に欠かせないソフト。新興企業のネットスケープ・コミュニケーションズの「ナビゲーター」が先行していたが、マイクロソフトが激しく追い上げており、現在の市場占有率(シェア)はネットスケープ七−八割、マイクロソフト三割程度といわれている。

朝日新聞(夕刊) 1997年(平成9年)10月21日 火曜日より


 20年後の未来を舞台にした、コンピュータ関連技術の「妖」語・「怪」説が魅力の『平成三十年』を連載している朝日新聞であるが、いやいや、本紙の記事も相当なものである。

 コンピュータ専門誌ではないので、一般読者にもわかりやすく・・・・・・という気持ちなのだろうが、「アイコン(絵記号)」ってわかりやすいか? アイコンの何たるかを知らなければ、「絵記号」と言われようが、「小さくて四角いポンチ絵」と言われようが、「消しゴム版画みたいなやつ」と言われようが、それを「消去するための簡単な方法を明示」することの重要性なんかわからないだろう。

 「インターネット閲覧ソフト」というのもわからん。ブラウザで良いのではないか? Internet MailだってInternet Newsだって「インターネット閲覧ソフト」の一種でしょ? そうそう、マイクロソフトの「閲覧ソフト」は「エクスプローラ」ではなく、「インターネット・エクスプローラ」だってば。「エクスプローラ」の標準搭載が反トラスト法違反と認定されたら・・・そりゃ消費者は困るよな。ウィンドウズの大部分の機能が使えなくなるわけだし。

 ちなみに手元にある日経産業新聞でも「基本ソフト(OS)」という表現が用いられているので、これは日本の新聞業界の申し合わせ事項なのかもしれない。「オペレーティング・システム(OS)」と書いてくれた方が、ずっとわかりやすいと思うけれどなあ。ちなみに「閲覧ソフト」については、「インターネット閲覧用の『ブラウザーソフト』」とあって、こっちの方がスマートな表現だ。商品名は「エクスプローラ」となっているが(別掲の表にはちゃんと「インターネット・エクスプローラ」って書いてあるのに)。

Back to 1997