怪獣映画干支シリーズ 未年の巻
GODMONSTER of Indian Flats
平成15年歳末。名実共に年男を翌日に控えた12月28日(日)、千葉県船橋市。某ショップの棚の前で内心小躍りするBazil氏(35歳・当時)の姿があった。今まで色々なバカ映画(特に怪獣)に手を出しては痛い目に遭ってきたものだが、たとえつまんなくても、そしてきっとつまんないのだが、それなりにこのテのジャンルに詳しいつもりが全くのノーマーク。確かに帰って調べてみたら「映画秘宝・あなたの知らない怪獣(秘)大百科」に1行だけ触れられてはいたがすっかり忘れていた、まさしく今年のオレのためだけに作られたような、未年生まれのオレが年男の誕生日前日にその店を訪れることを察知したシンクロニシティの神様が、そのために製作して日本で公開せぬまま放ったらかし、Something
Weird Videoがタイミングを見計らって商品化して棚に忍ばせたに違いない、久々に世界はオレを中心に回ってるじゃねーか、ジーザス!!
などとすっかり平常心を失って恐縮ですが、本作『GODMONSTER of Indian Flats(インディアン平原の神の怪物)』(1973)は、
公害汚染によって巨大怪獣となった羊が人間を襲う作品なのだ!
世界のどこかに、羊が巨大化して怪物になる映画を作ったら「怖い、ウケる、儲かる」と考え、それを真面目に実行してしまった人がいる訳で、人類の歴史は奥が深いと言わざるを得まい。製作・脚本・特撮・監督はフレドリック・ホブスという人。IMDbで調べたところ、本作を最後に爽やかにフェイドアウトしたらしい。
確かに、一人の映画人が田舎に帰ってトマトを作るしかなくなった(…か、どうかは知らんが)程に、実際に観る『GODMONSTER』はイタイ。89分の尺で羊怪獣ヒツラがその面妖な姿を現わし、ピクニックの女子小学生をビックリさせ、セルフ式ガソリンスタンド1店舗を爆発・炎上させて死傷者を一人も出さない小暴れを見せるまでに60分超。それまで映画は明後日の方向で悪の市長さんと悪の保安官による緩い陰謀譚でその場を凌ぐのみ。凌ぎすぎだ、それは。しかもそうしたエピソードが、羊怪獣ヒツラに全く絡まない。『原始怪獣ドラゴドン』並につらいよ、これは。
ヒツラ自体は着ぐるみ特撮。ハリウッドの工房からロケ地の平原への輸送中、UPSが幾つかのパーツを紛失してる風だがホブス監督は気にせず撮影。気にしないと言えばヒツラは二足歩行である。突然変異なんだから、ソレもアリだ。ミュータント化した羊が、絶対に二本足では歩かないとは、確かに誰にも言い切れんが、弁解めいた極端な前傾姿勢、中の人はしんどそうである。リア・ショットからのデカいお尻がキュート。
やがてヒツラはカウボーイによって捕獲され、ケージに閉じ込められて付近住民の見世物にされた挙句、トラックごと産廃処理場に突き落とされて爆発炎上死。だが、公害汚染が進む限り、第二・第三のヒツラが、再びインディアン平原に現れるかも知れない…という一応不安で社会派ぶったエンディングで幕を閉じる。
同時上映(笑)
Passion in the Sun
ゴージャスな特典映像が米国産B級DVDの醍醐味だが、何本かの短編映画に加えてモノクロ長編映画が収録されていましたよ。1964年作品。別名『The
Girl and the Geek』。
遊園地で見世物になっていた怪人が脱走。……そんなこととは何の関係もなく、ストリッパーが悪漢二人組に誘拐される。悪漢を追うパトカー、やがて悪漢は仲間割れを起こし、ストリッパーはその隙に逃走。追う悪漢。さらに追うポリスメーン!!
基本的にヌードを見せるための映画なので、色々苦労しながらハダカを見せる理屈付けをしています。悪漢が服に取りすがるので脱いで逃げるとか、逃走中に突然川で水浴するとか。こちらでも、観ている客がほぼ忘れきった頃に怪人再登場、ジェットコースターに轢かれて非業の最期を遂げる。
主役の刑事は監督本人。無事救出したストリッパーの舞台を見物してのハッピー・エンド。モノクロ傷だらけのフィルムに割れた音声が名画座オールナイトの郷愁を誘う。オープニングのタイトルバックが高速道路というのも、『怪談バラバラ幽霊』を髣髴とさせ、実際、この当時の緩いヌード映画なら、大蔵の小屋でかかってたかも知れないねえ。
クズビデオ49日に戻る