本題に入る前に、我々日本人にとっては耳慣れない言葉、「Sexploitation」について説明しておこう。この言葉は、読んで字の如く「Sex」+「Exploitation」の造語である。「Sex」の方は、その日本語的なイメージ通りの「性行為」の意味でとりあえずよろしい。問題は「Exploitation」の方なのだが、このいかにも受験英語っぽい綴りで、意味もつかみにくい。手元のザウルスの英和辞典で調べると……
exploitation:@(鉱山・資源などの)開発;活用
A利己的な利用、(労働などの)搾取
前者と後者が何故同じ単語で語られるのかはよくわからんが、従って映画のジャンルにおける「エクスプロイテーション」というのは、直訳すれば「搾取映画」ってことになる。…まだよくわからん。要するに「キワモノ」とかそーいう意味に近いらしい。「大作映画の真似」とか「社会問題や流行に乗じたテキトー作品」とか…要は「大衆の下世話な興味につけ込んで、入場料を巻き上げる」作品ということになる。詳しくは「クズビデオ49日」の中の拙稿のいくつかを読んで、イメージをつかんでほしい。
そういうことで「Sexploitation」というのは、「大衆の性的興味に乗じて金を巻き上げる作品」という理解でオッケーしておいてもらいたい。ま、そういうことなら、98系エロゲのほぼ全部がそういう事になるのだけれどね。
*さて、「まんぐり」だが

デジカメで撮ったんで、画像の不鮮明さはお許しを(汗) 「フルカラーがきもちいい〜」「フル音声だと感じちゃう!!」「大迫力アニメでぬれちゃうの…」と、刺激的な惹句がテンコ盛り。ジャケット裏面も「な、なんと1600万色の超興奮」「狂乱的アニメーション! 局部アップアニメーション!」「淫らで激しい悶え声がはずかし〜の!」と、こうくる。無論、新しいゲームなんで、CD-ROM媒体でWindows専用(別にMacintosh版有り)。売り物が気持ちいい程明確だ。「フルカラー」「フル音声」「アニメーション」。古い98エロゲーマーには、確かに刺激されるフレーズである。あのころはもちろん16色、そして一言でも女の子がしゃべったり(例えBEEP音でも)、パタパタアニメでも動けば御の字だったのだから。それにしても、エロゲ業界の技術革新には目を見張るものがあるなぁ〜と、感嘆に耽るのであるが、ここに、少し気になる記述を発見するのである。

いや、それほどエロゲやってるわけでもないので、詳しいところはわからないが、この記述は珍しいのではないだろうか?
*フルカラー、フル音声、フルアニメーションの正体は
ここではゲーム性は問わない。ジャケットにも「とってもカンタン」と書かれているように、そもそもADVの体裁によるアニメーション鑑賞ソフトなのだし。ついでに個人的基準で言わせてもらえば、やたらと難易度の高いエロゲは嫌いだ。ゲージツ的なポルノを見せられてるよーな気分になる。エロゲはカンタンに尽きるというのが私の信条で、これまで好きだったゲームが「禁断の血族」「いくいくパッ君」「はっちゃけあやよさん」「Libido7」というあたりで、その好みのダメさ加減がわかろうというもの。
絵柄の好み、声優さんのうまさ加減というのも、とりあえず不問に付す。このゲームの神髄は、あくまでも「フル」というところにあるのでね。
さて、結論から言おう。看板に偽りなしだ。確かにこのゲームはフルカラーだし、ほぼ全編フル音声でしゃべりまくり、フルアニメーションで動きまくる。なにしろ
画像:bmpファイル
音声:wavファイル
動画:aviファイル
なのだから(爆) つまり、プレイヤーのコマンドの選択に合わせて、ただ順番に再生していくだけ。元のファイルさえあれば、ゲームシステム自体はExcelの簡単なマクロでも組めるぞ、という代物だったのだ(笑) しかも問題の動画は、80年代、まだピンク映画がキネコになる前の洋ピンのごとく、データ自体は「1往復(わかるね?)」作ってるだけ。コマ数にすれば4コマか5コマ…それを延々ループ再生するだけの話だという……。そう、これは紛れもない「フルアニメーション」。「大迫力アニメでぬれちゃうの…」「狂乱的アニメーション! 局部アップアニメーション!」という宣伝文句に、「VIPER」シリーズと同じようなもの、と勘違いするのはユーザーの勝手なのである。
気持ちいい手の抜き具合は、そのコンティニュー画面にも顕著である。このゲームはマルチエンディング(核爆)なので、エンド画面からコンティニュー・メッセージが出るのだが。

普通ならメッセージ部分だけを差し替えて表示するが、このゲームでは、あくまで全画面分3つを別ファイルで持っている。確かに、独自でゲーム・システムを開発するより、表示・再生をすべてWindowsに依存する方が早い。だから「推奨Windows95プリインストールマシン」なのだ。この「開発する手間を惜しむ」信念は徹頭徹尾貫かれていて、このゲーム、セーブ機能がない(爆)
ここまで来て、「ああ、そうか。この筆者は誉めてるふりして実はけなしているのだな」と思う人もいるだろうが、それは甘い。この製作元の姿勢は、実に正しい。同じものを作るのならば、安く簡単に作るべきだというのは、資本主義社会においては聖書に匹敵する正しさである。それに、売り文句(間違いなくある種の誤解へと誘導してはいるが)に嘘がない。有名声優の名前をデカデカと表示しながら実はプレイ中、本質とはかけ離れた場面でしかもたった一言しかしゃべってない、というようなゲームに比べれば摩周湖の湖水のように正直だ。
実際、かなり気に入った。ユーザー登録しようかと思うくらいだ(笑) 第一、この入手経路からして、そもそも友人が発見してゲットして来たものを、頼み込んで買値で譲ってもらったくらいだ(爆)
エロゲに愛と寛容を。消費者よ、どうせ搾取されるならば徹底的に搾取されよう。某有名エロゲの限定解除コンシューマー機バージョンなんか買ってる場合じゃないぞ(笑)
まんぐり
製作:イリュージョン
価格:7800円(税抜き)
実売:5000円前後か?